人生初の沖縄に行ってきました。
若い頃からバイクでウロウロとしていた私ですが、、どうも沖縄だけは縁がありません。
やっぱり飛行機に乗らないと、バイクで行けないというのが高いハードルだったようですね。
そんな沖縄ですが、最近になって個人的にショッキングなニュースを知りました。
作家の樋口有介氏が2021年10月に那覇の自宅で亡くなられていたとのこと。
氏が沖縄に移住されていたという事にも驚きましたが、新刊が出てないかとググってニュースを見た時には、青春が終わったような(もちろん大昔に終わってますよ)、何とも言えない物寂しさを感じました。
樋口氏の小説と言えば、やはり「柚木草平シリーズ」ですが、デビュー作の「ぼくと、ぼくらの夏」から続く青春ミステリーものは外せません。
ミステリー作家と紹介されることが多い樋口氏ですが、私としてはハードボイルド作家の印象が強いです。
トリックよりも登場人物の洒落た会話を楽しむという感じです。
実は作品は同じようなものが多く、季節は夏、ごくごく普通の少年(青年)が事件に巻き込まれ、そこに美少女が絡んでくるという、書いてみると少し照れてしまいそうな設定です。
樋口氏のインタービューを引用します(「八月の船」の解説より)
(青春をテーマに書くのは)青春に悔いがあったからですよ。(中略)ふりかえれば、もっと楽しくできたんじゃないかという気持ちがありましてね。わたしの青春はどう考えても楽しくなかった。だから、小説に書くのは、一種の負け惜しみみたいなもんでしょうね
これを読んで大いに膝を叩きました。
若い頃の、時間以外はなーんにも無かった私も、氏の作品を読むのは負け惜しみに近かったのでしょう。
最後に2冊だけ本をご紹介。
少しビターな青春ミステリー。私は3回読みました。
永遠の38歳 柚木草平のシリーズ1作目。
これに嵌れば2作目、3作目と読む幸せが手に入ります。
ドラマ版の主人公が「鹿賀丈史さん」はイメージが違うなぁ。
古宇利大橋
タイトルに「ヤギ汁」と書きましたが、何もそのために沖縄に行ったわけではありません。
それだけを書いたら「ヤギ汁食べました。味は〇〇でした」で終わってしまいます。
もう少し、余計な事を書いて、字数を稼いでいきますよ~
さて、古宇利大橋(こうりおおはし)は、沖縄本島と古宇利島を結ぶ全長約2キロの橋です。
エメラルドグリーンの海をまっすぐに貫くような橋は、TVや雑誌で見た事あるかもしれません。
何も下調べをせずに、たまたま通りかかったので、写真スポットが何処なのかさっぱりでしたが、ウロウロしてみました。
まずは本島側の駐車場から。
駐車場の下は僅かばかりのビーチがありますが、満潮時には水の下になるのかもしれません。
乾いた砂ではなくて湿った感じです。
橋の向こう側には海水浴場があって、橋の上から見ただけですが大変に綺麗なようです。
島側に渡って少し登ったところから。
橋を見下ろすような、俯瞰するようなカットはドローンを使っているのでしょうか?
坂道を登ってみましたが、そんなような写真を撮れるところは見つけられませんでした。
少し坂を下って漁港の辺りから望遠レンズに切り替えてみます。
たまたま写り込んだカップルが夏らしく感じます。
秋を感じるビーチ
あちこち寄っているうちに、あっという間に陽が傾いてきました。
沖縄と聞いて思い浮かぶのは南国のビーチ。夕方のビーチを歩きます。
流石の沖縄も少しずつ秋が近づいているのかもしれません。人もまばらで季節の終わりを感じます。
上の写真はバリバリ補正していますが、気分は「フィルム風」です。
方法はズバリ本の通り。
今は、フィルム風の写真と、Pentaxのカスタムイメージである「ほのか」がお気に入りです。
特に「ほのか」は上手くハマる事が少ないのですが、ごくたまに上手くいった(と思う)ことがあります。
これは、「ほのか」でカメラ内現像したものをLightroomで補正しています。
具体的には、周辺減光を強め、自然な彩度をプラスし、ブルーの色を水色に寄せました。
どことなくノスタルジーな雰囲気を出せたと思うのですが・・・
これは私的には上手くいったと思います。
ついにヤギ汁を食す
フラフラ歩き回った後、お腹が空いたので食堂を探しました。
場所的に飲食店が少ないのか中々食べるところが見つかりません。
車を走らせているうちに沖縄そばの「のぼり」を立てた、1軒の食堂を見つけました。
駐車場に車を入れると、お店の中から店員さんが出てきて中に入れ、と促します。
店に入って、沖縄そばの「のぼり」を見ながら頼むと。
「沖縄そばは無いよー」
と信じられない事を飄々と言い放ちます。
無いのに「のぼり」を置いているという、なんとも呑気です。南国の県民性でしょうか??
「あるのはぁー、カレー、ラーメン、ヤギ汁!」
内心は「しまった!」と思いましたが、他に客のいない店内。浅黒い肌をした、いかにも沖縄っぽい風貌の店員さんに「やっぱり帰ります」とは言い出せません。
「ヤギ汁」を頼んで、席に着きました。
店内を見回すと、牙むき出しのハブが浸った「ハブ酒」の瓶や、山羊の頭部のはく製がドーン!と飾られてます。しかし、これはヤギ汁への不安を増大させるだけ。まったく落ち着きません。
そんな私の内心を知ってか知らずか、店員さんが、宮城県からの旅行者の話を聞かせてくれます。
「昨日来たお客さんなんか、ヤギ汁の味が忘れられないって今日も来たんだよねぇ~」
ホントかヨ?
30分ほども待った気がします。ついにヤギ汁が目の前に置かれました。
コクが出るというので入れて貰った「血の塊」がドン!と浮いています。
中のお肉は、ブニョブニョした臓物のような部位で、ヤギ汁初体験の私にはハイレベルです。
一口すすると、旨味も、味もしない白湯スープという感じで不味くはありません。
並べられたヨモギ、塩、しょうがで味付けもしますが、劇的な変化はありません。
とにかく、ブニョブニョした正体不明(ヤギ肉のはずですが)な物体を口に入れるのが勇気がいります。
内心が顔に出ないようにヤギ汁と格闘していると、となりで店員さんが信じられないことを言いました。
「ヤギ汁を作るけど、オレは食べられないんだよねー、なんどか挑戦したんだけどぉー」
えっ?
私は何を食べさせられているのでしょう・・・・
ホテルに戻ったあと、お店の事が気になって調べましたが、
「GoogleMap」にも「ぐるなび」にも店の事は載っておりません!!
どこで、何を食べさせられたのか?
あのお店と「ヤギ汁」が、この夏一番のミステリーでした。
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