山に登ると想像以上に自分が体力が無いことを知る。
我々中高年は、若い頃の、しかも一番タフだった時期のイメージを基準として物事を考えがちであるから、例えば通勤電車で重そうに鞄を抱えている女性が自分よりも体力的にタフだなんて想像もしない。
ところが、これがいったん山に入ると、女の子や女学生、はたまた年上のお姉さんまでが、ズンズンと自分よりも力強く登っていってしまう場面に遭遇する。
世の中、レディーファーストだとか、重い物は男性が持つべし、というのが常識になってはいるが、本当に男性の方が強いのだろうか?女性にうまく騙されているだけじゃないのか?という疑いさえ出てくる。
しかし、愚痴っても仕方ないので「登山力」を付けるために関東近辺の山に登ることにした。
山に登る体力をつけるためには、山に登るのが一番良い
という話を聞いたからだ。
まずは神奈川県の足柄市にある「金時山」に登る。
昨年レビューしたShimodaのトップローダーを実戦投入したので、その感想にも触れてみたい。
なお、載せている写真の多くは「里び」で撮ったものだが、Lightroomで少し手を加えている。
車で行く場合の駐車場について
自家用車で行く場合には、
①公時神社脇(金時公園トイレ)
②金時山登山口駐車場
③金時ゴルフ練習場
のどれかに停める事になると思う。
実は金時山は2回目なのだが、前回行った時には①と②は無かった。いや、正確に言うと①はあったが未舗装で未区画、そして古くさいトイレだったのだ。
新しい駐車場は区画化されトイレはなんとエヴァ仕様
しかし停められる台数は軽専用を含めても10台ほど。昔は20台ぐらい停められたはずだったのに。
後ろを振り返れば③「金時ゴルフ練習場」が目の前だ。手元の登山本を見ると500円/日で駐車できるとあるが、値上げされて800円になっていた。①の台数が減ったのをチャンスとばかりに値上げか?と怪しんだが、ゴルフ練習場の道を挟んだ向かいに②金時山登山口駐車場が新設されていたので、そういうわけでは無いらしい。
土曜日の9時で①は私でいっぱいになったので、春や秋ならもっと早い時間で満車の可能性があると思う。
登山コース
今回は金時神社脇から登山道に入り頂上へ、そこから長尾山→乙女口バス停に出て、駐車場に戻るというコースにした。歩行距離が約6キロ。標高差は約500m。休憩1時間を含めて約4時間のコースだ。
駐車場脇の道を上がると直ぐに「公時神社」に出る。
朝の神社は社務所の前にニワトリが放鳥されていてケッコー賑やかだった。
近所の人だろうか?神社にお参りしていた人がいた。
私も無事に下山できるように手を合わせる。
神社を抜けると直ぐに登山道だ。
道は綺麗に整備されているので不安は無い。問題があるとしたら自分の体力である。
途中、遭難者の写真が貼られていた。2001年5月の事らしい。健在なら90歳を超えているはずだ。
登山事故の本を読むと、事故は決して高い山だけで起きているわけでは無いことがよく分かる。
神社から1時間ほど登ってくると「公時神社分岐」に出る。右の方へ進むと「金時登山口」。途中にうぐいす茶屋があるはずだ。
ここから頂上まで30分ほど。脚に疲れが出てきてペースが落ちはじめた。
頑張って頂上に出ると、山頂は絶景ポイントで、多くの登山者がお弁当を広げている。
ここには金時茶屋と、金太郎茶屋という2件の茶屋があるが、どうも見ているとライバル意識というか、縄張りがあるらしい。茶屋の前にはいくつかのテーブルとベンチが並んでいるが、一方で買ったものを、もう一方の茶屋のベンチで広げようものなら茶屋の怖いお姉さんに注意されてしまうので気を付けたい。
写真の金時茶屋には「金時娘」と呼ばれる有名な女性がいる。
彼女は昭和7年生まれだから2022年には御年90歳。今も山小屋で働かれているかは分からないが小屋には「金時娘の茶屋」と大きく看板がかけられている。屋号は「金時茶屋」なのに、それよりも目立つ「金時娘の茶屋」の文字。それを見れば茶屋にとって「金時娘」の存在がいかに大きいものか分かるというものだ。
ところが最近の金時娘には悪い評判もちらほら。
ネットで情報を漁っていたら、あるブロガーが金時娘への怒りをぶちまけていた。
その激怒っぷりは見ていて怖いぐらいだが、ちょっと面白いので引用したい。
14歳の時から65年以上を切り盛りし、女性故の苦労もあったのだと何かで読んだことがある。
「人は悲しみが多いほど人には優しくできるのだから」と武田鉄矢は唄ったが、彼を信じるならばこの醜悪な生き物は最早「人」では無いのだろう。
お、おぉーーーーー。
初めて読んだときに思わず声が出てしまった・・・・醜悪な生き物とは、ただならぬ。
文章の横線(打消し線)は原文ママだが、その打消し線は抑えきれぬ怒りを少し恥じらいつつもでもやっぱり湧き上がる憎しみを吐き出したいぃぃぃぃという感情の発露ではないだろうか?
そして、次にこう続ける。
小屋には若かりし頃の写真が数多く飾られていた。笑顔で収まっている写真を見ると、実に残念な歳のとり方をしたもんだなと可哀想にも思った。(中略)再び訪れることがあるとしたら笑顔の写真が黒枠に….
読んでて一瞬背筋がゾッとしないだろうか?(笑)
しかし、武田鉄矢さんは続けてこう唄っていたのだった※
「信じられぬと 嘆くよりも」
「人を信じて 傷つくほうがいい」
「求めないで優しさなんか」
彼(武田鉄矢さん)を信じるならば、金時娘に優しさを求めてはいけなかった、、、いや違うか(笑)
Shimodaトップローダーを使ってみて
金時娘の話が思った以上に膨らんでしまったが、山頂でご飯を食べたら後は下るだけ。
ここでShimodaのトップローダーを使った感想を少しだけ書きたい。
まず、結論としてトップローダーの具合は大変によろしかった。
両肩からトップローダーを吊り下げたお陰で荷重が均等になり、片方の肩だけが痛くなるような事もなかった(ピークデザインのキャプチャーを使っていると片側の肩が耐えられないほどに痛むことがあった)
また、速写性も十分にあって登山の道中でも気楽に写真を撮ることが出来た。
しかし良かっただけじゃレビューにならないので少しだけ気になった点を挙げてみる。
① トップローダーに垂れる汗
額の汗がトップローダの蓋にポツポツと滴り落ちた。もちろん防水性の有る材質なので簡単に染み込むことは無いが、夏の時期に大量の汗をかいた時はどうなるのか気になった。
② カメラがすっぽりと入り込むので少し取り出し難い
今回は小さいレンズを付けていたので、カメラをトップローダに入れると奥の方まで入り込んだ。手を突っ込んで取り出せば良いのだが少し取り出しにくい。今回はハンドストラップを取付けて、これを引っ張るようにしてケースから出していた。
③ 下り道で足元が見えない
これが一番の欠点か?顎下にトップローダーがあると足元が見えない。登り道はあまり気にならないが、下りは少し怖い。対応方法としてはトップローダーを吊るしている紐の紐の長さを片方だけ短くする事だ。トップローダーは短くした方の肩側によっていくので全体ではないが足元が見えるようになる。しかし、危険な山道ではカバンにしまう事も検討する必要があるかもしれない。
乙女峠を経由しての下山
帰りは長尾山の方から下りて行く。
足元がぐちゃっとしていて、しかも段差がある箇所も多くて少し歩きにくい。
ここから乙女峠までは1時間ほど。
2002年発行の本を見ると乙女茶屋があったらしい。
現在は廃墟となってしまっている。しかし、ここまで登ってきてまで落書きするかね?
乙女峠は登山道が分岐していて少し紛らわしい。仙石原方面に降りていくと乙女口に出れる。
あとは車道の脇を駐車場まで歩けばゴールとなる。
今回のコースタイムをヤマレコで確認すると。歩くペースは1.1~1.2という事だった。最近は0.9とか出ることがあったので少し登山力が付いたかと思っていただけに残念だった。
継続は力なりというし、あまり間を開けずに次に行ってみたい。
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