ずーと、やりたいと思っていたアルカスイスZ1のクランプ交換にチャレンジしました。
Z1は評判の高い雲台ですが、付属の純正クランプはちょっと酷いです(笑)
最近は望遠レンズを持ち出す機会が増え、Z1の使用頻度も増えてますが、使うほどに「交換したい!」という欲求が高まります。
べルボンの雲台をアルカスイス化しようとして失敗した経験もあり、今日までクランプ交換は我慢してきました。
しかし、冬の寒さに震えながら入りそうで入らないプレートを、クランプの角にガッ、ガッッと何度もぶつけているうちに我慢の限界を超えました。
このクランプの角の傷は、入らないプレートを何度もぶつけ続けた跡。
では、ありません。
が、あまりの入らなさに、こんな傷も出来てしまう気がします。
失敗したら諦める覚悟でアルカスイスZ1のクランプ交換を行います。
準備した物
ソケットレンチと軍手はバイク整備用のものを、それ以外はamazonで出来るだけ安いものを入手しました。
・ ハンダごて
・ ソケットハンドル
・ ビットソケット(ヘキサゴンソケット3mm)
・ 軍手(結局使わず)
ハンダごては雲台とクランプを接続するネジを熱するためです。ネジにネジロックが使われている可能性が高く、固着したネジロックを「熱」で溶かします。
ベルボンの雲台を破壊した時は、ガスコンロで直接焙りましたが、スゴイ熱いし、爆発しそう(しません)だったので今回はハンダごてに切り替えました。
クランプの取付で使われているボルトの頭には何種類かあるそうですが、現行品は3mmの6角穴が採用されているという事です。実際、私のZ1も3mmでした。
強く固定されたネジを外すため、力を加えやすいようソケットハンドルを選びました。
ソケットハンドルは値段が高いので、スピナハンドルでも良いかもしれません。
私はバイク用の工具をたまたま持っていたのでソケットハンドルを使います。
実際の作業
まずは、固着したネジロックを解かしていきます。
コンセントに挿して十分に温めたハンダごてを6分間、ネジ穴に差し込みました。
手で触れられないほどに雲台が熱くなるのではないかと軍手も用意しましたが、その心配は杞憂でした。
雲台が熱くなることが無いので、これでネジロックが緩んだのか心配ですが、やり過ぎるのもどうかと思ったので6分で切り上げ、3mmのビットソケットでネジを回します。
回しはじめだけネジの堅さが手に伝わりましたが、ググッと更に力を入れてみたところ、手ごたえが消え、ネジが回ります。
外れたネジを見てみるとネジロックのカスが付いています。
ベルボンの時はもっと固くて、外した後のカスの色は赤だったと記憶しています。もしかすると、私のZ1で使われていたネジロックは、強度の低いものなのかもしれませんね。
次に、新しいクランプの取付作業に写ります。
今回交換するクランプはKIRKのKLC2.6Cです。
ReallyRightStuffの製品を贔屓にしていましたが、KIRKのクランプを使ってみたくで選びました。
このクランプは形状は同じですが2種類(KLC2.6/KLC2.6C)あるので注意が必要です。Z1にはKLC2.6Cでないと取付できませんので注意して下さい。
KLC2.6CはZ1本体側の突起(上記写真)を、受け入れられるように溝が掘ってあります
KIRKのクランプには3本のネジが付属してきます。ネジのピッチや長さが違うようですが試したところ一番長いネジが適合するようでした。
新しいネジは3/8の六角穴でした。
KIRKのクランプに付属するレンチでも良いのでしょうが、私はバイク整備用の工具を使いました。
付属するネジロック剤をネジに付けてからクランプを締め付けていきます。
完成です!
壊したらどうしようと思っていましたが、賭けに勝ちました。
アルカスイスのクランプが思いのほか簡単に外れたので今回は運が良かったのかもしれません。
今回の改造は上手くいきましたが、この改造は鉄くずを生み出す可能性が十分にあります。
もしコレを見て真似しようと思う方は自己責任と覚悟を持って臨んで下さい。
KIRKクランプの使い勝手は?
最後にKIRKのクランプを使ってみた感想です。
特筆すべきなのはやはり取付・取外しの速さです。完全な開放状態でカメラをクランプに置き、スクリューノブをクイッ、クイッと2回転回せばカメラは完全に固定されます。取外したいときは逆方向に同じく2回転回すだけです。
手元にReallyRightStuffのBH-25のスクリューノブが有りますので試してみましたが同じ事をやるのに5回転必要でした。BH-25はたまに使っていますが取付にいつもイライラしてます。
2回転と5回転では操作性がビックリするほど違います。
RRSのレバークランプとの比較ではどうでしょうか??
これは好みの問題だと思います。どちらも良いクランプですが取付・取外しに関してはRRSのレバークランプの方がスピーディーだと思います。一方、KIRKはスクリュークランプのため他社製プレートにも広く対応できる点や、価格の面でRRSより有利です。
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