もし、カメラを買ったばかりの知人に「お勧めのカメラバッグは?」と聞かれたとしたら何と答えるだろうか?
「どこ(メーカー)のカメラがいい?」という質問に「PENTAX!!」などと言えば、その後の人間関係に支障をきたすかもしれないが、、バッグで「ピークデザイン!!」を勧めるのは、そう悪くないはずだ。
三角の棒にウン万円つぎ込む「私」は、カメラに興味の無い人から見れば完全にマニアではあるが、最初にカメラに手を出した時は、何よりもカメラバッグに見えない「カメラバッグ」に拘っていた。
今となっては機能性重視で〇〇〇とか〇〇の重厚なバッグを持ち歩くが、時に観光地で「同好の士」のバッグ姿を見た時に、ふとカメラを初めて買った頃を思い出す。
カメラバックに見えないバックの需要は確実にあると思うが日本のカメラ用品メーカーからは機能性重視のものばかりが目に付く。特にレンズを何本も持ち歩く人が買うような製品はその傾向が強い。
ピークデザインのバッグは、カメラバッグではあるがカジュアル寄りであり、機能性も十分にあると思う。もちろん複数本のレンズも収納できる。
探せばもっとカジュアル寄りのバッグも見つかるが、機能的に不安な点もある。
攻守バランスの良いピークデザインのバッグは誰に対してもオススメしやすいバッグだ。
小さいスリングをこんな感じで使ってました
ピークデザインのバッグはいくつか持っているが、何気に一番多く持ち出しているのはエブリデイスリングの5ℓ※だ。休日にカメラを持って街ブラするには、これぐらいが丁度よい。
※ 5ℓは既に廃盤で現行は6ℓ
カメラ本体はバックにしまわず、ストラップで肩から下げる。だから、スリングには替えレンズを数本詰めている。大口径ズームレンズも入るけど、小型の単焦点の方が似合うと思う。PentaxユーザーならLimitedを3本入れても良い。
前回レビューしたトートも使うが、やはり両手がフリーとなるスリングバッグの方が使いやすい。重いレンズを入れても襷掛けにしてしまえば割と楽に運ぶことができる。だから海外旅行のサブバッグとしても使ってきた。
少し無理はあるが、海外では大口径の望遠レンズを詰めたりもした。
Pentaxで言うのであれば24-70mmをカメラに付けて、バッグに70-200mmを詰めていれば、「広角が欲しい」とか逆に「望遠がほしい」というような焦点距離の面で後悔する事が少ない。
一生に一度の街を歩くのなら後悔はしたくない。
そんな風に便利に使ってきた「エブリデイスリング5ℓ」だったが、私の使い方ではどうも「小さい」ようだ。
もう少し大きいサイズがあればと手を出したのが今回レビューする10ℓのスリングだ。
バックの外観から確認する
ピークデザインのバックは防水性のある生地が使われていて、チャックも止水ジッパーとなっている。
「完全防水では無い」が、少しの雨なら心配はない。
背面を見ると「取っ手」が付いていて、持ち手として使う他に、トロリーバッグのハンドルを通すこともできる。
ピークデザインのバッグは、このスリングに限らず、同社の「キャプチャー」を取付けられるようになっている。公式動画でもキャプチャーの取付について紹介されている点から、メーカーの目玉機能のうちの一つのようだ。
このスリングも両サイドにキャプチャーを取付けることができるが、正直に言って使ったことは無い。
(写真ではキャプチャーを上下逆さま)
キャプチャーは登山でも使っているので機能的な心配はない。しかし、レンズ込みで1キロ超のカメラを、スリングバッグに取付けるのはアンバランスではないだろうか?
リコーのGRぐらいならサイズ的に丁度良いかとも思うがカメラが自分の目の届かない位置にあるのは心配だし、そもそもGRなら上着のポケットにでも放り込んでおけばよい。
だから、私にとってキャプチャー取付の機能は使いようがない(今のところ)
前面にはチャックで開閉するポケットが付いている。
チャックの幅は25~26cmだが、その内部は上下左右に更に広がっている。厚みは無いが、チャックからの深さは15cmほどあるので携帯・財布などは楽に入る。
三脚の取付は、2本のストラップで固定する。
このストラップはバッグの付属品であり、三脚のようなものを固定したいときに、バッグに取付けて使用する。バックの両サイドにはストラップを引っ掛ける「輪っか」が片側3ヶ所づつある。下の写真の赤丸内は、そのうちの一つである。(残りの2つは三脚の固定に使用している)
トラベル用の1キロ程度のものを取付けてみたが、正直に言って「う~ん」という感じだ。
三脚が必要ならばリュックタイプのバッグの方が楽じゃないだろうか?これは非常用、もしくは三脚以外の軽いものを固定するときに使う方が良いと感じた。
特徴的な仕切り(ディバイダー)
ピークデザインのバックで必ず紹介される特徴的な機能として「仕切り」がある。
カメラバッグによくある収納部を仕切るためのものだが、ピークデザインの物は、一部が変形することで上下にも荷室を区切ることができるのが特徴だ。
写真は上手い組み合わせ方では無い。しかし、雰囲気は分かるかと思う。
工夫次第で荷物を整理して収納できるのは間違いないのだが、あまり詰め込みすぎると何か取り出す度にカバンの秩序が崩壊してしまう。
詰め込むほど整理整頓が必要になってくる。
カメラバッグ内の収納について
① 背中側
バックを開けたところ背中側にはPC(タブレット)を収納できるポケットがある。
写真でポケットに入れているのは12.5インチのノートパソコンだ。
パソコンは横31cm、縦21cm、厚さ2cmほど。
このサイズで割とピッタシなので、これよりも大きいPCは厳しい可能性がある。
私はPCを持ち歩かないので問題は無いが、人によってはサイズが問題になるかもしれない。
② 正面側
PCを収納できるポケットの反対側には、チャックで開閉する細長いポケットが付いている。
ポケットを開くと、ピークデザインのバッグでよく見る、カメラバッテリーを入れるに丁度良いポケットが4個付いている。ポケットは刺繍で色分けされており「使用前」「使用後」など、物を区別して入れることができる。
残念なのは、その刺繍の色が「黒」と「灰色」で区別が付きにくい事だ。他のバッグのように「赤」と「黒」など分かりやすい色にしてくれると良かったと思う。
このポケットは深さは無いが、例えばレンズペン、USBケーブルなどの小物を収納することもできる。
③メイン収納部
生茶でチャチャチャ。
用意したのは2ℓのペットボトルだ。
これをバッグに入れる事で、なんとなく容量を把握してもらおうと思った次第だ。
1本、2本、、、
2本までは完全に収納される。
この状態でバッグには多少の余裕があるが、思った以上にピッタリな感じだ。
3本目を入れてみる。
分かっていた事だが、完全に溢れてしまった。
どうだろう?
収納力について何となく伝わっただろうか?
実際に機材を詰めて収容力を見てみる
広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームの3本+αで試してみたいと思う。
+αとは、飛び道具としての魚眼だったり、ストロボなど、その時の気分によって追加するもので、写真ではペンタックスのFA Limitedの31mmを選んでみた。
これぐらい収納できると海外旅行のサブバッグとして大活躍できる。
まずは仕切りを外して3本のズームレンズを入れてみる。
3本のズームを入れてみると、もうこれ以上は入る感じでは無かった。望遠の三脚座がスペースを取るので、それを外せば何とかなるかもしれない。
想像外だったのは、70-20mmが立てて収納できたこと。寝かせて入れる必要が無いので取り出し易いし、他の荷物を詰めやすくもなる。これは5ℓのスリングでは出来なかったことだ。
次に、望遠ズームを立てて入れ、その脇を仕切りで区切って広角ズームを寝かせてみた。
左半分。2枚の仕切りの間に広角ズームを寝かせていれてある。仕切りは変形させて広角ズームの上に更に機材を詰めることができる。写真で広角ズームの上にあるのは24-70mmだ。
という事が判った。
前にも書いたように私は移動時にカメラをバックに収納しない。カメラ+レンズをストラップで肩から下げている。だから、広角・望遠の2本をバッグに収納できれば、更に単焦点を追加できることになる。
このタイプのバッグとして、収納力は文句の付けどころが無い。
最後に、
「私はカメラをバックに収納したい!!」
という人のためにカメラとレンズをバッグに詰めてみよう。
撮影の関係上、真ん中のカメラはレンズを取付けたAPS-Cの「K-50」であるが、フルサイズでも入ることは確認している。
両サイドの小型の単焦点は、拡張した仕切りの上に乗せている。ピークデザインの仕切りは上下に区切ることができるため小型レンズであれば4本は入ると思う。
3本のFA Limitedを持ち歩く時に使いたくなるフォーメーションだ。
6リットルか、10リットルか?
私は廃盤となった5ℓしか持っていないが、スリングを1つだけ買うなら10ℓを勧めたい。
5ℓを購入したのは、肩掛けバックだけでなく、ウエストポーチとして使える点に魅力を感じたからだった。しかし、実際にウエストポーチとして使用したのは1回のみ。
あまり使い易いとは思わなかった・・・
レンズ沼に嵌っている人であれば、大きい望遠レンズに対応できるのは10ℓの方だし、カメラを始めたばかりの人であれば機材以外の荷物も収納できる方が汎用性が高いと思う。
6リットルと10リットルの価格差は約6000円ほど。
しかし、バックの重さは、たった100gしか変わらない。
既にいくつかカメラバッグを持っていて、小さいバッグが欲しいのであれば6ℓもありだが、そうでなければ活躍する場が広いのは10ℓだと思う。
少しでも安く買いたい
最後にPeak Designの製品を安く買うための方法について書いてみる。
ただ、PeakDesignが謳う「生涯補償」を重視するなら国内の正規品を買うほうが安心だ。ここから先は保証より価格重視という人向けである。
為替にもよるが、本国の公式サイトから通販で購入する方が安いことが多い。
特にアメリカのセール時期であるブラックフライデー(11月下旬)になるとセール品が出ることもある。
セール時期以外では、製品価格の高いものがお買い得だ。
カーボンのトラベル三脚で検証してみよう。
2.海外通販 70,670円(送料3,890円込み)
(2021年4月時点)
なんと、差額19,420円だ!
注意したいのは輸入に関しては「消費税」と「手数料」が掛かること。
おそらく全部で4~5千円ぐらいになるはずだ。
それでも1万以上は安いわけだから、少しでも安くしたいという人はチャレンジしても良いだろう。
更に、「転送会社」を使うと送料が安くなる可能性がある。
転送会社を使うと、こういう感じになる。
② 国内送料が無料で転送会社の倉庫に到着
③ 転送会社は到着した商品を、日本に転送する。
海外通販で転送会社を色々と使っているが、今オススメなのは「Buyandship」
Buyandshipは荷物の重さだけで、日本への送料が決まるので、分かりやすく安心。
欠点は、香港経由で日本に届くので時間が余計に掛かるということと、購入時に送料がいくらになるのかが分からない事だ。(だたし、購入時に送料がどうなるか分からないのは他の転送会社もほとんど同じ)
送料は1.35キロ以内であれば2000円と決まっているため軽いものは直接日本に送るより、Buyandshipを通した方が安かったりする。これはピークデザインだけでなく、アメリカから何か購入する時は役に立つ。
紹介コード「5969108993」を入力して会員登録すると紹介者と購入者それぞれに300ポイントが付くので、気になったら試して欲しい(笑)
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