軽量雲台を求めてReally Right Stuff(以下RRS)のBH-25を購入しています。
この雲台は固定力の点では・・・と書いていました。
評判の良い三脚や雲台を探し始めると海外メーカーの製品が目に付きます。私もGITZOやRRS、KIRKという製品を愛用してますが、今回は日本メーカーのベルボンのQHD-S5ASを買ったので紹介します。
前回と同じくRRS、SIRUIの小型雲台とも比較したいと思います。
ベルボンQHD-S5AS
この雲台は、同じくベルボンから発売されている「UTC-53Ⅱ AS」という小型のトラベル三脚に付属している雲台を単体売りしたもののようです。
実はベルボンのトラベル三脚は私も愛用しています。
トラベル用としてGITZOの1型を使っているのですが、このベルボンの三脚は、フルサイズ対応と謳っている三脚の中で縮長28cmと極限まで小さくなるので、持ち出す回数が多くて手放せません。
このUT-63に付属の「QHD-S6Q」は、ベルボン独自のクイックシューでしたが、QHD-S5ASはアルカスイス方式を採用した雲台です。同じ日本のSLIKは以前もアルカスイスを採用した製品がありましたが、ついにベルボンも出してきたというわけです。
QHD-S5ASのメーカー公式の仕様です。
底面径 37mm
質量 318g
推奨積載質量 4kg
積載量はメーカーによって基準が違いますが、べルボンはカタログに目安となる機材を載せていますので、それが参考になります。
2020年のカタログを見ると、このQHD-S5ASを標準雲台としている三脚(UTC-53ⅡAS)は、一眼レフで望遠ズームは「最適」、300mmF2.8までを「適正」という表記でした。
300mmF2.8となると重量があるので本当?という感じですが、私の用途としては旅先にそこまで重いレンズを持っていかないので十分に役割を果たしてくれるのではないかと思っています。
価格は実売で12,000円ぐらいです。割と手を出しやすい価格ではないでしょうか?
外箱は段ボールで素っ気ない感じです。
付属品としてマニュアルの他、ネジ変換アダプター、ねじ回しなどが付いています。
標準で付いているアダプターを外せば太ネジに対応します。GITZOなどの海外製の三脚でも問題ありません。
外観はアルミ削り出しで高級感があり、黒地に白い文字のシンプルなデザインは好感が持てます。
首が長いデザインは、同社から出ているトラベル三脚に対応するためです。
対応する三脚との組み合わせでは、折りたたんだ脚の間からクランプを外に出し、雲台を外すこと無くコンパクトに収納できます。しかし、他のメーカーの三脚で使う方には長い首は無駄に感じると思います。
締め付けノブはローレット加工により凹凸があって握りやすくなっています。
クランプは、ネジで締めつけるタイプですので付属のクイックシュー以外にも幅広く対応できそうです。
RRSなどのレバークランプだと、他のメーカーのクイックシューを使うと問題が発生する場合があります。
また、脱落防止のための溝があります。説明書には、同寸法のクイックシューであれば広く互換性があると書いてありました(すべてを保証するものでは無いとも書いています)
この雲台にはトルク調整機能が付いていますので、レバーを緩めた瞬間にカクっとなる事を防止できます。
トルク調整機能は、締め付けレバーの可動範囲が狭くして、必要以上に緩まなくなるタイプです。
締め付けネジの内側にあるメモリリングは、レバーの可動範囲に合わせて任意に回すことができます。
上の写真は、金色のトルク調整ネジを回して可動範囲が狭くなった状態で、一番レバーを緩めた時にメモリが0になるようにリングを調整したところです。
特筆すべき事でもありませんが、パンねじが付いていますので、水平方向のみを独立して回転できます。
他のメーカーの軽量雲台との比較
・ G-10KX(SIRUI)
・ BH-25(ReallyRightStuff)
の2つの雲台と比較した感想を書いてみます。
それぞれの項目ごとに順位(1位★★★ 2位★★ 3位★)を付けてみました。
デザイン・質感
QHD-S5AS ★★★
BH-25 ★★
G-10KX ★
アルミ削り出しのQHD-S5ASが質感が高いと感じます。
BH-25は同メーカーの上位機種に通じるデザインですが、質感は・・・段違いに落ちます。
G-10KXは質感・デザイン共に値段相応かと。
サイズ・軽量性
QHD-S5AS ★★
BH-25 ★★★
G-10KX ★
サイズ・重量に関してはBH-25が圧倒的です。
QHD-S5ASは、重さではG-10KXより少し軽量ですが、クビが長く手に持った感じではG-10KXの方がコンパクトな感じがします。
なお、QHD-S5ASは付属のプレートを覗けば267gとカタログ値より44gも軽くなります。
(G-10KX 275g/bh-25 177g)
保持力
QHD-S5AS ★★★
BH-25 ★
G-10KX ★★
雲台に取付けた望遠レンズの先端を下に押した時に、どの雲台が簡単に動いてしまうかで判断します。
手で押すという感覚的な判断ですが、BH-25は3つの雲台の中で一番簡単に動いてしましました。
ボール径が25mmと一番小さく、それが影響したものと思われます。
この中ではQHD-S5ASは、一番固定力は強いです。
ちなみに、ボール径は、QHD-S5ASが28mmで、G-10KXは29mmです。
G-10KXは最大積載重量15キロとメーカーは謳っていますが、BH-15と比べて大差がない気がします。
操作性
QHD-S5AS ★★
BH-25 ★
G-10KX ★★★
BH-25はレバーをきつく締めたと思っても、まだその先がある感じで、回す指が痛くなりそうなぐらいに締め付けないと重い機材を固定できません。
また、フリクションコントロールが付いていないのはBH-25だけでした。
G-10KXはフリクションコントロール専用にノブが付いています。締めるとボールの動きが固くなるタイプで、締め付けノブの動きに影響を与えないのが個人的に好みでした。
価格
QHD-S5AS ★★
BH-25 ★
G-10KX ★★★
やはりReallyRightStuffはお高い。
BH-25は、スクリューノブタイプを選んでも定価155ドル。しかもRRSは値引きがありません。
価格的に魅力(安い)があるのはG-10KXなので客観的には★3つ。
しかし、性能と価格のコストパフォーマンスを考えるとQHD-S5ASが一歩リードという気がします。
まとめ
BH-25 ★ 8個
G-10KX ★10個
サイズ・重量だけで選ぶのであればBH-25しかありません。
RRSマニア、もしくは同社のウルトラポケッドポッドを使う人など、目的が明確であればBH-25を選んでも良いと思いますが、そうでなければ無理に選ぶ必要はない気がします。
思った以上に健闘したのは中華製のG-10KX。
お金を掛けたくないけど、メーカー製で、そこそこの性能が欲しい場合には良いチョイスだと思います。
QHD-S5ASは、コストパフォーマンスに優れ、性能は他の二つを頭一つ抜きんでています。
雲台に1万ちょっと出しても良いという人には良い選択肢になるはずです。
SLIKなど、他のメーカー製にも、良い雲台はあると思いますが、私の選ぶ軽量雲台はベルボンの「QHD-S5AS」で決定となりました。
雲台を買うことも、しばらく、これで無いでしょう。
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